129話 旅のショートストーリー


な、な、な……




無いーーーーーーーーッ!!(((゜д゜;)))




誰もいないドミトリールームで上半身裸で一人叫ぶワタシ。


シャワーを浴びていた時間はたったの15分。


部屋に戻りベッドの上を見るとタブレットとカメラが消えていた。


同時に、唯一同室だった黒人カップルの二人の荷物までもが消えていた。



やられた。


まさかこんな短い瞬間を見計らってチェックアウトするとは。


二人で行動していたことも、見張り役を立てるという意味で有効な手段だった。


自分の無警戒さを悔いた。まさか旅に出てわずか三か国目で2大重要アイテムを失うとは。


旅に出てまだ2か月もたってない。ましてや英語力もまだ全然。


今日はマレーシア最終日。国境を超えるマレー鉄道の列車時刻も迫っていた。


どうしたらいいのか分からず、結局は何もせずただ荷物をまとめて宿を去ることにした。






マレー鉄道から見た景色は、、、あまり覚えていない。







タイのバックパッカーの聖地、カオサンロードの日本人宿についた。


多くの日本人旅行者がおり、ワタシはそこで旅の熟練者たちに事情を話すことにした。


A「あー、それは災難だったねえ。」


ゆ「そうなんですよー。僕一応旅行保険に入ってるんですけど、カメラとかタブレットって、保険でお金返ってきたりしないですかね?」


A「あぁ、それは無理」

ゆ「…なにゆえ?」


A「保険を請求するには被害にあったという証拠がいるからね。普通はすぐに警察に行ってポリスレポートを書いてもらうんだよ。でも君は警察行ってないでしょ?」


ゆ「……ハイ(  ゚ ▽ ゚ ;) 」


A「そして国も移動しちゃってる。マレーシアでの被害をタイでなんとかすることは出来ないなぁ」


ゆ「……へい(  ゚ ▽ ゚ ;) 」


多分そうだろうなとは思ってた。
まぁ、こうなったのは自分の責任だ。
ここはすんなり諦め…


B「…まぁでも、タイで盗られたことにしちゃえば良いんだけどね。」



ゆ「………え?(  ゚ ▽ ゚ )




―――数日後―――

ゆ「えーと、ワタシ、昨夜、盗まれた、タイで、えーとカオサンロードで。くれないか?ポリスレポートを」 (←必殺「英単語のみで乗り切るの術」)


タイ人警察「…………」


どきどきどきどきどきどき(;°皿°)

 


疑われたか?嘘だとばれたか?い、一応困った顔アピールで同情ひく作戦は使ったんだが(´・ω・`) ←こんな顔


タイ人警察「………OK」


やたっ!( `▽´)これで保険請求出来る!お金返ってくる!


カメラとタブレットのお金が返ってくるー♪


多分全額は返ってこないとは思うけど、そこそこは返ってくると思うし、


それでとりあえず新しいカメラでも買おうかな(*'▽')




タイ人警察「ポリスレポートの欄に盗られたものを書くとこがあるんだけど、カメラとタブレット以外に何かあるか?」






ゆ「…………ん?(  ゚ ▽ ゚ ) 」




ワタシがその後なんて答えたかはご想像にお任せします。(  ゚ ▽ ゚ ) ←悪い顔 








ゆっちの世界2周 ゆる~りウクレレ旅

元高級ホテルマンが行く”初めての海外一人旅でいきなり世界2周”。 旅中に手に入れたウクレレと共に行く失敗だらけのゆる~りウクレレ旅です。


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